企業内クラウドを短期間で実現するターンキー製品

 IBM CloudBurstは、仮想化技術に基づく企業内クラウド環境(プライベートクラウド環境)を短期間で導入するためのパッケージ製品である。ブレードサーバーやストレージなどのハードウエアにサーバー仮想化ソフトや各種の運用管理ソフトを組み込み、導入支援(機器の設置、パラメータ設定など)やユーザー教育などのサービスとセットで提供する。

 ハード/ソフト構成をあらかじめ決めているため、仮想化環境の準備期間は、利用企業の運用担当者の教育も含めて5日程度という。一度環境を整備すれば、新たな仮想サーバーを追加する作業は平均20分としている。OSやアプリケーションの構成についても、あらかじめ仮想サーバーの設定イメージとして用意しておける。これらのイメージ情報を選択するだけで目的とするサーバー環境を素早く整備できる。

 最新版「V2.1」では、新たなハードウエア構成により、旧版に比べCPUコア数が1.5倍、ストレージ容量が1.33倍になった。また、仮想化ソフトとしてVMware vSphere 4.1 Enterpriseを組み込んだ。その結果、エントリーモデルでも1台で稼働できる仮想マシン数が従来の約60個から100個以上に増加した。

 ソフトウエア面では、仮想マシンの申請/利用ポータル画面に新機能を追加した。申請画面で複数ソフトを選択して自動導入できるようになった。また、仮想マシンに複数の仮想ネットワークインターフェースを割り当てることが可能になった。仮想マシンの利用期間中は、ソフトの追加導入や仮想マシンの仕様変更、複数世代のバックアップが可能。保存してあるイメージを新規申請で再利用することもできる。

 ハードウエア構成としては、42Uラックに管理用ラックマウント型サーバー「System x 3550 M3」やサーバープール用のブレード型サーバー「BladeCenter HS22V」、ファイバーチャネル用ストレージの「System Storage DS3400」などを搭載する。ソフトウエア構成としては、運用管理の「Tivoli Service Automation Manager」を中心に、システム監視の「Tivoli Monitoring」、ストレージ管理の「DS Storage Manager」、課金管理の「Tivoli Usage & Accounting Manager」、電力使用状況の監視/管理の「Tivoli Monitoring for Energy Management」、LinuxディストリビューションSUSE Linux 10などを組み込んだ。