OSS-DB技術者注目の資格試験がやって来る

オープンソースデータベースの新試験登場
 前回、データベース関連の技術者試験を一挙に紹介したばかりですが、さらに新しい試験が登場することが分かりました。オープンソースソフトウェアとデータベースを組み合わせた新しい試みです。

 Linux技術者認定試験「LPIC」を実施しているLPI-Japanは2月1日、オープンソースデータベース試験の開発を始めたと発表しました。

試験の名称(仮称)は「オープンソースデータベース技術者認定試験(OSS-DB Exam)」です。初級向けの「Silver」と上級向けの「Gold」という2段階の試験を用意する予定で、試験配信および認定の開始は2011年7月の予定。試験センターで受験するCBT(Computer Based Testing)方式で開催するようです。

 Silverの想定受験者は、リレーショナルデータベース管理システムRDBMS)、SQL、そしてオープンソースのデータベース(OSS-DB)に関する基本知識を有し、OSS-DBの運用管理やOSS-DBを活用したシステムを開発できる技術者です。出題の半分がRDBMSOSS-DBの一般知識やシステム開発SQLに関するもので、残り半分がインストール方法や設定ファイルの記法などといった運用管理に関する問題です。

 Goldの想定受験者は、Silver保持者よりも深い知識を持ち、パフォーマンスチューニングやトラブルシューティングなど高度な運用管理に対応できる技術者となっています。試験範囲は、運用管理、性能監視、パフォーマンスチューニング、障害対応などで、それぞれのテーマからほぼ均等に出題するようです。

想定するRDBMSPostgreSQL
 オープンソースRDBMSといっても、いろいろあります。この試験では、「PostgreSQL」を使うことを想定しているようです。ここがこの試験の大きな特徴です。「LAMP」より「LAPP(LinuxApachePostgreSQLPHP/Perl/Python)」を推してるともいえます。

 ただ筆者の知る限り、MySQLに詳しい人はPostgreSQLに関する見識もあり、逆もしかりのようです。基本的な点を押さえていれば、MySQLユーザーでも、さらには商用データベースのユーザーでも合格できる可能性は低くないと思います。

 この試験が登場した背景には時代の移り変わりに伴う、ユーザーの要求の変化があるように感じます。オープンソースソフトウェアは年々じわじわと企業システムに浸透しつつありますが、エンジニアが十分足りているかというと疑問です。

 商用のソフトウェアに比べ、オープンソースソフトウェアを扱うには、技術者はまめに情報収集したり、自発的にスキルアップに向けて学習を続けなければなりません。つまり、オープンソースソフトウェアを扱う技術者のスキルは技術者自身の自主性によるところが多いのです。このようなことから、オープンソースソフトウェアを扱えるエンジニアへの道には高い敷居もあると感じます。

 このような状況で、技術の高さを認定する試験が登場することは大きな意味があると思います。企業にしてみれば、技術者が持つスキルを客観的に評価できます。技術者はスキル習得の目標や目安にできます。オープンソースRDBMSに詳しい技術者の人口を増やすことにもつながるのではないかと期待しています。

 2011年2月中旬の時点では、これ以上詳細なことは判明していませんが、LPI-Japanは、OSS-DB Examのtwitterアカウントを開いており、参考書籍などの情報を発信しています。興味のある方はフォローしてみましょう。

http://www.atmarkit.co.jp/fdb/rensai/dbwatch2011/dbwatch201102_01.html