第25回 「こうなってます」は何も言っていないのと同じ

IT業界でプロとして活躍するには何が必要か。ダメな“システム屋”にならないためにはどうするべきか。“システム屋”歴30年を自任する筆者が経験者の立場から、ダメな“システム屋”の行動様式を辛口で指摘しつつ、そこからの脱却法を分かりやすく解説する。

ダメな理由:「なぜ」が抜け落ちている

 前回(第24回)は“システム屋”の異動・転職について書きました。今回も“システム屋”のキャリア・能力開発について書きます。

 視野が狭くなりがちな“システム屋”にとって、異業種交流会のような機会は重要です。この原稿を書く前に、異業種の知人にちょっとした調査をかけてみました。交流会などで知り合った“システム屋”の印象を聞くためです。

 最悪の回答は、「そこに“システム屋”が出席していた記憶がない」というものでした。名簿には載っていたものの何も思い出せない。あるいは社名は覚えているが人物を思い出せない、と言うのです。

 多数派の回答は、「“システム屋”は『こうやっています』『こうなっています』という事実あるいは状況を話すばかりで、『なぜ』という洞察が浅いので話が面白くないか、会話が弾まない」というものでした。

http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/COLUMN/20110223/357606/